報告:British Council 共催・実践英語研修「第5回 Advanced Writing~交渉、報告書・提案書の書き方(中上級)~」(2020年10月12日・13日(10月5日・6日より延期@Zoom)
開催データ
研修名 | Advanced Writing~交渉、報告書・提案書の書き方(中上級)~ |
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日 時 | 2020年10月12日(月)・13日(火) (10月5日(月)・6日(火)より延期) 各日10:00-13:15 |
方 法 | オンライン @Zoom |
講 師 | ブリティッシュ・カウンシル英語講師 Lily Baker-Blot |
参加者数 | 団体正会員10名 / 9大学 |
…団体正会員大学… (参加者所属先機関50音順)
関西大学、国際基督教大学、筑波大学
東京外国語大学、東京女子大学、東京都立大学
中村学園大学、明治学院大学、早稲田大学
研修内容(コース構成) |
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1. Dealing with student Emails |
2. Negotiating |
3. Report writing |
4. Proposal writing |
研修参加報告
報告者:長友 香玉梨(東京外国語大学)
研修概要
Eメールやレターをはじめ、各種資料・文書作成など、ライティングは大学の国際業務に欠かせないスキルだ。本研修では具体例の検討と演習を通し、英文ライティングの基礎と、目的別の表現や形式を学んだ。二日間のうち初日は英文メールの構成とマナーを学び、2日目には報告書と提案書というメールとは目的の異なる書式と文体について学んだ。オンライン会議システムを利用したグループワーク(2名~3名)の導入で、講師と受講者間で常に活発な交流が保たれ、英語力向上だけでなく、他大学職員との交流から刺激を得る貴重な機会ともなった。なお、グループワークでの文章の共同編集と、個人の練習課題提出にはGoogleドキュメントを使用した。
各講義内容について
Session 1 : Dealing with student emails
問合せに明瞭で礼儀正しい返信をするための、メールの基本的な構成(宛名・書き出し・結び・署名など)と、その具体的な表現例を学んだ。グループワークを通して、問合せメールが求めている情報と、好ましくない返信例の問題点を特定したのち、実際にメール作成に挑戦した。与えられた表現例の単なる羅列にとどまらず、受講者同士で業務上の経験をシェアするなど、実践的な演習となった。
Session 2 : Negotiating
提案に対し、代案提起(counter offer)をする際の書き方を、ペアワークを通して学んだ。まずSession1で学んだ内容を踏まえて、基本構成に従い、具体例に対する代案提起のメールを作成した。その後、見本例の構成と語法を検討したうえで、作成したメールを改めて自己添削し、より明瞭で好感の持てる交渉メールに仕上げる演習を行った。自分の文章の癖を振り返る機会にもなった。
Session 3 : Report writing
目的の異なる2つの報告書の型と、報告書に使われる簡潔な文章のスタイルを学んだ。まずグループでそれぞれの報告書の構成と文章スタイルを検討し、メールとの差異を議論した。その後 Paragraph Structure(明確な論理展開のための文章構成ルール)について学び、例示された2大学の資料から、協定校としてどちらが望ましいかを説明する文章を個人で作成した。業務上で英文報告書を作成する受講者は少ないようだったが、論理の流れと展開を意識し、より高度で説得力のある文章を書く練習となった。
Session 4 : Proposal writing
提案書の型と使用する文章スタイルについて、具体例とグループ演習を通して学んだ。例示された提案書の優れた点について話し合った後、グループで互いの大学間での交流計画の提案書作成に挑戦した。ブリーフィング、データ整理、文章作成、という一連の作業をオンライン上で行い、活発な意見・情報交換から刺激を得る貴重な機会となった。
感想
オンラインでのライティング指導がどう進むのか多少不安があったが、概ねスムーズで充実した研修だった。講師から参加者の発話や気づきを促す工夫もあり、双方向の交流を通して自分のライティングの癖を見直す機会となった。フォーマルな文書形式を学ぶ意欲的な内容は刺激になり、自分の改善点が明確になった。一方で、すべての作文・添削をするには時間がやや足りない気もした。予めGoogleドキュメントのリンクを送り、一部事前課題に取り組める仕組みがあると、一層充実した学びになったかもしれないと思う。